ミニチュア製作歴も長くなってくると、ありがたいことにオーダー依頼を受けることがたまにあります。
表題の件を結論から述べると、オーダー依頼があったが、納品前にそのオーダーの著作権違反が発覚。私から依頼をキャンセルしたという顛末です。
基本的に依頼物が市販で買えるようなものだった場合は、市販品を推奨しています。たとえば「一升瓶の日本酒のミニチュアが欲しい。」というオーダーであれば、以下をお薦めします。
市販品を薦める理由は
- 価格が安い
- すでに市販されている物を作るモチベーションが低い
…という2つの要因が主になります。
さて、フェイクを入れますけど、今回の依頼は「市販品にないキャラクターの絵柄が入ったミニチュア製作」というもの。
最初に頂いたメッセージは、「自分で描いたキャラが入ったミニチュアは作れますか?」という内容でした。
たとえるならば「自分のキャラが入ったミニチュアのマグカップが欲しい!」というような依頼です。
オリジナルのキャラクターであれば受け付ける旨を連絡し、相手側も承諾。最終的に依頼を受けるかどうかは、そのキャラクター画像を確認して判断するようにしました。そして、その送ってもらったキャラクターデザインのクォリティが高い!(後から考えると当然ですが…。)こちらも俄然、やる気が出てきました。
本格的な製作は、入金されてから開始で合意。イメージしやすいように完成予想図をパソコンで描いて見てもらいました。
この段階で形や色・サイズなどの調整・修正があって何回かやり取りが発生しました。その中でキャラクターの絵だけでなく、そのキャラクターの名入れもできることを提案したときに違和感を覚えました。
キャラクター名を聞くと、急にトーンダウンしたからです。
「自作のキャラで名前を考えていないことってあるかな…?」
嫌な予感もあったので、そのキャラクターを画像検索すると、すでに市販されているキャラクターと酷似したものでした。
特許情報プラットフォームで検索すると、商標も登録されていることを確認。
「あきらかに版権物…。」
私が知らないキャラクターでしたが、これは見過ごせません。まぁ、依頼主が権利を持っている可能性もあるかもしれないので、この件を問い合わせると…。
- 実は自分の好きなキャラクターだった
- 提出した絵も友人が描いてくれたもの
- 多少はアレンジしていて既存のキャラとは全く同じという訳ではない
- 著作権などはよくわからない
…という回答でした。
簡単に著作権の話をさせて頂いて、依頼のお断りを入れたのは言うまでもありません。依頼主にとっては私的利用であっても、私からすると営利目的に該当するので、明確に法律違反になります。
本当は著作人格権の同一性保持などをきちんと説明して「アレンジすればOKという訳ではない」ことも言いたかったのですが、そこは省きました。しかしながら、著作権や知的財産権って、人によって温度差が激しいなとあらためて思い知りました。
個人的な反省点はいくつもあるのですが、みなさまもオーダー製作の依頼にはご注意を!